コラム
「不動産投資はインフレ対策になる?インフレと不動産投資の関係性を解説」
インフレの状況下では、現金(日本円)を持っていたとしても資産価値が目減りするため、何らかのインフレ対策が必要になります。そこでインフレ対策として注目されているのが不動産投資ですが、不動産投資はインフレ対策になるのでしょうか?
この記事では、インフレとはどのような状態なのか、インフレと不動産投資の関係性などを解説します。
1. インフレとは
インフレとは、インフレーションの略称で、モノの価値が上がる状態のことです。例えば、100円の商品が、数年後に200円になっているといったように、価値が2倍に上がっている状態です。
同じ商品と交換するのに必要な現金(日本円)が多くなったということなので、インフレは現金(日本円)の価値が下がった状態と言い換えることもできます。
つまり、インフレが進行している状況下では、貯金のように現金(日本円)を持っていても価値が目減りしていくため、資産を減らさないためのインフレ対策が求められます。
2. インフレの状況下ではインフレ対策が必要
先ほどの事例で考えると、100円の商品が200円に値上がりしているということは、モノの価値が2倍になった一方、現金(日本円)の価値が半分になったことを意味します。
資産価値の目減りは子供の進学資金の不足、老後資金の不足といったリスクを高めるため、資産価値を守るためのインフレ対策が必要です。
インフレ対策を考える上で重要なのが以下の2つのポイントです。
・インフレに強い資産を所有する
・資産の分散
それぞれの対策について詳しく見ていきましょう。
インフレに強い資産を所有する
現金(日本円)はインフレリスクに弱いです。そのため、資産が現金のみというのは非常に危険な状態と言えます。そこで重要なのがインフレに強い資産を所有するという対策です。
インフレに強い資産には、現物資産や海外の資産などが挙げられます。
現物資産とは、金や不動産、株式、債券などです。「インフレ=モノの価値が上がる」ため、現金を資産価値が明確である現物資産(モノ)に換えていれば、価値の目減りを防げます。
また、インフレは円安を伴うことが多いため、海外の資産に換えていれば、価値の目減りを防げるだけでなく、円安によって資産が増える可能性もあるでしょう。
資産の分散
インフレに強い資産を所有するにあたり、国内株式のみ、債権のみを購入するなどのように現物資産を1つに絞ることはおすすめしません。
その理由は、現物資産を1つに絞った場合には、景気の影響を1点に受けるためです。資産価値の目減りを防ぐために取り入れたインフレ対策で、資産が減ってしまっては元も子もありません。
現金(日本円)をインフレに強い資産に換える際は、株式(国内・海外)、債券、不動産、金などのように資産を分散することが大切です。
特に株式と債券は逆相関の関係にあるため、リスクを回避するためにも資産をうまく分散・組み合わせましょう。
3. インフレに強い資産
インフレに強い資産を所有するにあたって、具体的にどのような資産を所有すればいいか気になっている人も多いと思います。
インフレに強い資産の一例として、以下の4つが挙げられます。
・株式
・外貨
・金
・不動産
それぞれの資産を詳しく解説していきます。
株式
インフレの状況下では、現金(日本円)の価値が下落することで、モノやサービスの価格が上昇して収益が増えます。
また、輸出が中心の企業では、商品を外貨に交換する際に円安がプラスに作用して得られる収益が増えるので業績が良くなります。
業績の上昇は株価上昇の要因となるため、現金を株式に換えていればインフレのリスクを軽減できるでしょう。
外貨
インフレでは円安を伴うことが多いです。円安というのは、日本円の価値が下がって外貨の価値が上がることなので、インフレの際に外貨を持つことで相対的に資産を増やすことが可能です。
しかし、インフレが必ずしも円安を伴うとは限りません。景気の向上、給与の上昇によって物価が上昇している場合、インフレでも円高に振れる可能性があります。
インフレが起きている背景をよく理解してから外貨を選択しましょう。
金
「有事の金」と呼ばれるように、金の価値は安定しており、国際情勢や経済が悪化している状況では現金を金に換えようとする人が増えます。
インフレによる懸念や通貨に対する不信が強まった場合は金の価格上昇が期待できます。実際にコロナウイルスによる感染拡大への不安が生じた2020年には、金の価格が最高値を更新しました。
現物資産の中で価値の安定しているモノを選びたいという人には、金をおすすめします。
不動産
現物資産である不動産も不景気やインフレに強い資産を言われています。金は国際情勢や経済の悪化が改善した場合、価格が下がることが多いです。
不動産は国際情勢や経済の悪化が改善した場合でも、価値が下がるということはほぼなく、資産価値が安定しています。
また、金は持っているだけで資産が増えるということはありませんが、不動産は貸し出せば家賃収入を得られるので資産を増やしたい人に向いています。
4. インフレと不動産投資の関係性
不動産がインフレに強い資産だということが分かったところで、インフレと不動産投資の関係性について詳しく知りたいと考えている人も多いと思います。
インフレは不動産投資にとって以下の点からプラスであると言われています。
・物価上昇で資産価値の目減りを防げる
・家賃収入の増加を狙える
・借り入れ金額の実質的な目減り
それぞれの点について詳しく見ていきましょう。
物価上昇で資産価値の目減りを防げる
インフレの状況下では、現金の価値が下がる一方で、モノの価値が上がります。そのため、現金を不動産に換えていれば、資産価値の目減りを減らせるだけではなく、状況によってはインフレが加速して資産が増える可能性もあります。
また、円安を伴うインフレの場合は、外国資本の流入による不動産価格の上昇で、売却益も狙うことが期待できるでしょう。
家賃収入の増加を狙える
インフレでは現金の価値が下がるため、モノの価値が上がるほか、サービスを利用する際の料金設定も高くなります。
家賃設定もインフレによって引き上げられることが多いため、家賃収入の増加を狙えます。ただし、家賃設定の引き上げが確定しているわけではありません。
景気の向上、給与の上昇を伴わない悪いインフレの場合、家賃設定を引き上げても入居者の負担を大きくするだけです。インフレの背景をよく考えてから引き上げましょう。
借り入れ金額の実質的な目減り
不動産投資を始める際には、現金だけでは資金が不足する、レバレッジ効果を高めるために不動産投資ローンを利用するのが一般的です。
インフレになると現金の価値は下がりますが、不動産投資ローンを契約した際の借り入れ金額の価値も下がります。
返済額は変わりませんが、上記のように相対的に借り入れ金額は実質的に目減りするため、お得に不動産投資に取り組めていると言えるでしょう。
5. インフレ対策だけで不動産投資をするのは危険
不動産投資がインフレ対策になるからと言って、インフレ対策のためだけに不動産投資を始めるのはおすすめしません。
その理由は、不動産投資は元本が保証された資産運用ではなく、最悪の場合は大切な資産を減らす恐れがあるためです。
不動産投資を始める際は、どのようなリスクを伴うのかを理解した上で、対策を練ってから臨むことが大切です。
不動産投資に伴う主なリスクとして、以下の3つが挙げられます。
・空室リスク
・災害リスク
・家賃滞納リスク
それぞれのリスクを詳しく説明していきます。
空室リスク
空室リスクとは、空室によって想定通りの家賃収入を得られないリスクです。不動産投資を始めたからと言って、必ず家賃収入を得られるわけではありません。
空室が発生した場合には家賃収入が少なくなるため、空室を想定した余裕のあるローンの返済計画を立てておくことが大切です。
また、駅やコンビニ、ドラッグストアなどの利便性の高い施設が近くにあるといったように需要が高く、空室になりにくい条件を備えた不動産を選びましょう。
災害リスク
災害リスクとは、自然災害の影響によって不動産投資を継続できなくなるリスクです。自然災害の影響を受けた場合でも、保険にさえ加入していれば修繕にかかる費用は補えるため、万が一の事態でも安心です。
しかし、頻繁に災害の影響を受けて修繕を行っていては安定した家賃収入を得られません。購入前にハザードマップを確認するといったように、災害リスクの高い不動産かどうかを確認しておくことも大切です。
家賃滞納リスク
入居者がいる物件だからと言って必ず家賃収入が得られるわけではありません。入居者が家賃を滞納すれば、その分だけ収入が減ることになります。
「家賃滞納者はすぐ追い出せばいい」と考えた人もいるかもしれませんが、家賃滞納者でも長期にわたる悪質な滞納でない限り立ち退きを要求できません。
そこでおすすめするのが家賃保証会社の利用です。入居者が家賃を滞納した場合でも、家賃保証会社を利用していれば家賃保証会社が入居者に代わって家賃を支払ってくれます。
速やかに滞納家賃を回収できるため、家賃滞納リスクを抑えられるでしょう。
6. まとめ
インフレとは、モノの価値が上がり、現金(日本円)の価値が下がる現象です。
貯金のように現金をそのまま持っていても、資産価値が目減りすることになるため、大切な資産を守るためにも、インフレ対策を講じることが大切です。
不動産投資は物価上昇で資産価値の目減りを防げる、家賃収入の増加を狙えるインフレに強い資産運用と言えます。しかし、元本が保証されているわけではありません。
リスクを抑えつつインフレから資産を守るためにも、不動産投資の知識を身につけてから臨みましょう。
また、円安から円高に転じた場合、外国人投資家はドルベースでの資産価値が上昇します。売却益が生じるという理由から利益確定売りが進み相場が崩れる可能性があるため、既に不動産投資を行っている人は利益確定売りに備えておくことが大切です。
そのような利益確定売りによる相場の崩れに対して速やかに所有不動産を売却したい人は、独自ネットワークでスピーディーな売却が可能なオメガエステートにぜひご相談ください。